【LGBTQ】小学生にもちゃんと考えさせる

教員の仕事

LGBTQについて小学校でもちゃんと教えるべきです。
小学生の場合、性自認や性的志向については未分化で無自覚であることが多いです。
だからこそ、人知れず傷ついたり悩んだりしているかもしれません。
校長時代に小学校低学年生にも分かるようなお話を試みてみました。
以下は学校便りでそれを保護者に伝えた文章です。

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性的マイノリティー(LGBT)といわれる人がいます。
「L」・・・レズビアン。恋愛対象が女性である女性。
「G」・・・ゲイ。恋愛対象が男性である男性。
「B」・・・バイセクシャル。男性も女性も恋愛対象である人。
「T」・・・トランスジェンダー。体の性と心の性が逆の人。
「Q」・・・クエスチョニング。それが未分化で自問中の人。
そういう個性をもった人たちが、実社会で不当な偏見や差別を受けて苦しんでいます。
これは、大人の世界の特殊な問題のように思われがちですが、小学校段階の子どもたちにも深く関係する問題でもあります。
持って生まれた感性や性質は、自分にとっては当たり前のことです。
だから、子どもの頃は他の人と違うことに気付きにくいです。
その違いが他人から受け入れられずに、人知れず孤独感や違和感に苦しんでいる子は、一定の割合で必ずいると言われています。
そういう子たちが、将来も差別や偏見に苦しみ続けるかもしれません。
全校朝会で次のような話をしました。

(子犬と子猫の写真を提示して)どちらが好きですか? 
どちらが好きかは、人それぞれだよね。
(黒と赤のカードを提示して)どちらが好きですか?
「黒が好き」と答えた女の子は変ですか?
「赤が好き」と答えた男の子は変ですか? 
そんなことないよね。
では、男の子が男の子に憧れたり好きになったりしたら変ですか? 
女の子が女の子に憧れたり好きになったりしたら変ですか? 
変なことではありません。
もし、自分の好きなものや好きな人ができた時に「そんなの変だよ」と周りから言われたら、どんな気持ちですか? 
悲しくてつらいよね。
そんな気持ちが長く続いたら、どんな気持ちになりますか?
皆さん。その子が大切にしているものや大切にしている気持ちを、変だと言ってはいけません。
「自分と違うから」
「みんなと違うから」
という理由で変だと言ってはいけません。
一人一人の好きなものや大切にしている気持ちをお互いに認め合いましょうね。

特にトランスジェンダーの子は、「身体測定」「着替え」「トイレ」「水着」「移動教室での入浴」など、あらゆる場面で強いストレスを感じて生活している可能性があります。
まずは、学校がすべての子どもたちにとって生きやすい社会でありたいと思います。
ご心配なことがありましたら、ご遠慮なくご相談ください。
私たちは、細心の配慮と対応に心がけて参ります。
LGBTQの問題は「該当する児童にどう対応するか」だけの問題ではありません。
個性や違いを認め合い、お互いを尊重し合う社会の実現に向けて、全ての大人と子どもが考えなくてはいけない問題です。
転入生、外国人、高齢者、障害者などへの差別や偏見とも本質が同じ問題です。

コメント

  1. 小さい子にもわかりやすい問題提起ですね。「子犬と子猫」「黒と赤のカード」とても具体的です。

    • LGBTQは老若男女を問わない人権課題ですよね。全校朝会で話したときに、子どもたちが普通に素直な感じで聞いてくれていて、少し安心しました。

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