いい授業がしたい。教員なら誰もが願うことです。授業がうまい人と下手な人の決定的な違いを3つに絞って紹介します。いずれについても強く心がければ誰でも身に付けることができることです。
チャイムとともに始まって終わる
いい授業をするためにはタイムマネジメントは必須です。
「チャイムを守る」という生活規律は、実は教員が授業を通して作るものです。
チャイムと同時に授業が終わるということは、授業自体はチャイムが鳴る数十秒前に終わるということです。
本時のまとめをして、机上を整えて、すっきりとした気持ちなってチャイムが鳴るという状態です。
導入がシンプル
授業が下手な人は、導入に入るまでがグダグダしています。
必ず前時の振り返りをする人がいます。
そんなことをせずに、いきなり主発問を出した方がいい場合もあります。
何も言わずに写真資料を提示した方が、子どもたちの目を引き付ける時もあります。
子どもと学習材をいかに出合わせるか。
実力のある教員はそこに細心の注意を払います。
例えば、第4学年社会の都道府県の学習で、日本地図を開かせて、いきなり次のように発問します。
教員:「北海道はどこにありますか?」
子どもたちは、きょとんとしつつも答え始めます。
児童:「上にある」
教員:「上では分かりません」
児童:「青森県の上にある」
教員:「青森県の上は空です!」(子どもたち笑う)
児童:「青森県の北にあります!」
教員:「そうです。方位を使って説明すると正確ですね」
その後、地方ごとに方位を使って各県の位置を言う練習をしていきます。
授業の後半には常にクロージングを構想
授業の上手な教員は、その1時間の授業の達成感や到達に意識を集中させています。
残り10~15分間は「どのように授業を締めるか」「どの区切れで授業を終えるか」を構想し続けます。
そのクロージングに向けて授業の軌道修正をさりげなくしています。
ノートに振り返りを書かせてから数名に発表させる計画でいても、十分な時間が確保できない場合があります。
「ノートに記入させて、発表は次の授業の初めに回そう」
「ノート記入は割愛して、数名に発表だけさせよう」
などの軌道修正を無理なく自然に行っているのです。
まとめ
授業の巧みなプロ教員は、こうした「時間」や「始まりと終わり」のコントロールを大切にしています。
もちろん「学習活動」自体の充実も大事です。
しかし、それは各教科の特性の理解、個への対応力等、長年の経験を通して身に付くものです。
「時間」や「始まりと終わり」のコントロールは、経験が浅くても心がければ早いうちに身に付く力です。
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