保護者の犯罪的なハラスメントへの対処法

学校運営

どんなに誠意ある対応をしても、保護者の暴力的な言動がエスカレートしていくことがあります。
教員が理不尽な暴言に耐え続けることは、正しい対処法ではありません。
何が犯罪に該当するかを知って、自らの心情を適切に伝えることが大切です。

保護者のカスタマーハラスメントの犯罪性

・「お引き取りください」と何度言っても居座った
⇒【住居侵入罪】(刑法130条)
・長時間や深夜の電話や面談を要求されて学校の正常な営みを脅かした
⇒【威力業務妨害】(刑法234条)
・非がないのに「謝れ」と執拗に迫った
⇒【強要罪】(刑法223条)
・「殺すぞ」「何があっても知らないぞ」
⇒【脅迫罪】(刑法222条)
・SNSやビラによる誹謗中傷
⇒【侮辱罪】(刑法231条)
・誹謗中傷で名誉が棄損された
⇒【名誉棄損罪】(刑法230条)
・机や椅子、壁などを破壊した
⇒【器物損壊罪】(刑法261条)
・胸ぐらや腕につかみかかった
⇒【暴行罪】(刑法206条)
・怪我を負わせた
⇒【傷害罪】(刑法204条)

知っていることが心のゆとりにつながる

上記のような行為や言動があったら、それは犯罪に該当する可能性があります。
そういう心構えで保護者と向き合うと、必要以上に恐怖を感じずに済みます。
学校や教員は、犯罪に抵触するようなクレームや要望に応じる必要はないのです。
まずは、そうした断固たる意志をもちましょう。

暴力性に気付かせる反応をする

保護者が犯罪に該当する行為や言動をした時には、ちゃんと言葉に出して反応することが大切です。
「その言葉は怖いです」
「そう言われると心が苦しいです」
場合によっては泣いてもいいのです。
保護者から「バカ」「死ね」などの暴言があったら、冷静に反応します。
「どんなところがバカのですか」
「それは自殺しろという要求ですか」
教員は丁寧に謙虚に話し合いつつも、聞き捨てならない言動にはちゃんとリアクションしておきます。
学校との話し合いの場でも、保護者同士のSNSにおいても「内容によっては罪に問われますよ」という警告を発する効果があります。

場合によっては警察と連携する

度を越えた言動に対しては、黙って耐えるのではなく注意喚起や警告をします。
それでも収まらない場合は、次のように明言します。
「脅すのはやめてください」
「それは法律違反です」
ほとんどの人は、この段階で「まずい」と思います。
そう言っても収まらなければ、実際に警察に相談します。
警察は証拠がないと対応しないので、録音は必須です。
あまりにもひどい場合は、被害届を出します。
被害届が出されれば、警察は捜査に入ります。
ある程度穏便に対処したいのであれば、警察から保護者に対して「指導、助言、警告」をしてもらうという方法もあります。

まとめ

厳しい労働環境や家庭状況からのストレスで、やり場のない不満や苛立ちに見舞われている保護者もいます。
学校でのトラブルをきっかけにして、学校が暴発のターゲットになる風潮があります。
子どもたち同士で問題は解決しても、保護者の他罰感情がエスカレートしていくこともあります。
残念ながら保護者と信頼関係を築こうとしても、糸口が何もないこともあります。
不必要な謝罪をしたり、ひたすら黙って耐えているだけでは、学校がすべての非を認めていると勘違いされます。
そして、事態がますます悪化してしまいます。
法に則り淡々と保護者と向き合わざるを得ない現実もあります。




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