【プロ教師テク】コーチングにおける「承認」

教員の仕事

巧みな教員は子どもを「ほめる」だけでなく「承認」します。
コーチングスキルを意識して「ほめる」ことと「承認」を上手に使い分けます。
子どもたちとの関係も良好になります。
成城学園初等学校の秋山貴俊教諭が「承認」のスキルを分かりやすく紹介しています(「指導と評価」2024年10月号)。

コーチングにおける「承認」とは

コーチングには、大きく分けて3つのスキルがあります。
「傾聴」「質問」「承認」です。
「傾聴」は、相手の話を注意深く聴くことで、相手が自由に感情や考えを表現できます。
「質問」は、相手の新しい視点や気づきを引き出します。
「承認」とは、相手のありのままを受け止め、認めていることを相手に伝えるスキルです。

「承認」を3つに分類

「存在承認」「成長承認」「成果承認」の3つがあります。
「存在承認」とは、その子の存在そのもの認めることです。
「おはよう、○○さん」「君がいてくれてよかった」などの声掛けが該当します。
「成長承認」とは、進歩や努力過程などを認める声掛けです。
「宿題を毎日提出しているね」「丁寧な字を書いているね」などの励ましです。
「成果承認」は、成果や結果を認めることです。
「満点おめでとう!」「早くできたね」などと伝えます。

「承認」は単に「ほめる」こととは違う?!

上記3つの「承認」は、「ほめる」ことと似ていますが実は違います。
「ほめる」とは「宿題を毎日提出して、とても偉いね」などのように、ほめた側の価値判断や評価が入っています。
「承認」は事実をとらえて相手に伝えてあげることです。
「~して偉い」とか「~してすごい」などの価値判断を付け足しません。

なぜ「ほめる」ではなく「承認」で止めるのか

価値判断や評価を付け加えずによい事実のみを伝える「承認」には、どのような効果があるのでしょうか。
子どもたちにとって、ほめられることは嬉しいことです。
しかし、大人からの評価に敏感になることは、必ずしも望ましいことではありません。
自分の存在や行動のよさを自ら感じ取れる自尊感情を育てる方が重要です。
外からの評価を求めていると、失敗したときやうまくいかないときには、失敗を隠したり言い訳をしたりして、叱られないようにします。
大人の顔色を気にしていては、自己有用感をもてません。

まとめ

「成長承認」と「成果承認」は、子どもをよく観察していないとできません。
しかし「存在承認」は、「○○さん、おはよう」「○○さん、元気そうだね」などと、意識を向けていれば誰にでもすぐできます。
学校で「自分のありのまま」を認めてくれる大人がいることで救われる子も多くいます。

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