子どもの言動が理解できない。
保護者がなぜ急にそんなことを。
同僚教員のくせの強さに苛立つ。
そんなことが多くてストレスがたまることがありませんか。
アメリカの精神科医のデビッド・D・バーンズが定義した「認知の歪みの10パターン」を知っていると、「もう!わけ分からない」という混乱から抜け出せます。
全か無かの思考
「0か100か」「黒か白か」の極論で考えてしまいます。
完璧でなければ完全な失敗と考えてしまいます。
過度な一般化
1つの事実をもって「すべてこうだ」「みんなこうだ」「いつもこうだ」と決めつけてしまいます。
教員が陥りやすい考え方です。
心のフィルター
自分の意にそぐわないことを拒絶します。
「あの人は○○だから嫌い」と一度根付いた否定的な見方を変えられなくなります。
マイナス思考
ネガティブな側面だけを見てしまいます。
普通なことや良いことでも、悪いことにすり替わってしまうこともあります。
結論の飛躍
何の根拠もなく飛躍して否定的な予測や結論に結びつきます。
何事に対しても「どうせ無理」とはじめから諦める傾向があります。
拡大解釈・過小評価
事実のまま受け入れずに誇張や縮小が極端。
自信があるときは「自分がすべて正しい」と思い込み、自信がないときは「一切参加しない」となりやすい。
感情的な決めつけ
客観的な事実がないのに「そうに違いない」と決めつけます。
気分によって判断が変わってしまいます。
すべき思考・あるべき思考
何事にも「べき論」が強い考え方です。
現実が自分の期待と違うと、失望したり嫌悪感を抱いたりします。
レッテル貼り
相手の良いところを認めずに「役立たず」「人として最低」などと決めつけてしまいます。
極端に否定的なラベリングです。
自己関連付け
自分に責任のないことまで自分事として捉えてしまいます。
他者に向けられた批判まで「自分に向けられた言葉だ」と思い込んでしまいます。
まとめ
「認知の歪みの10パターン」すべてに共通していることは、「極端な発想」です。
特に仕事に追われたり困難に直面したりしたときには、教員自身もいずれかの「認知の歪み」に陥ってしまうこともあります。
そして、職場の同僚にキレてしまう。
子どもたちに暴言や不適切な指導をしてしまう。
そんなハラスメントの形で暴発してしまう恐れもあります。
「認知の歪みの10パターン」は子どもや保護者、同僚をよく理解する視点になりますが、時には自分を見つめ直す視点にもなります。